健康ランニングを満喫する会員の活動レポート
走・快・ひ・ろ・ば
■鯖街道マラソンに行って来ました 
2004年5月 文:杉本恒之

 若狭の小浜から京都までを往来した、古来の街道を鯖街道と言います。京都の町の人達の、若狭の海と新鮮な魚に対する思いが凝縮された呼び名ではないでしょうか。
 コースは色々あるそうですが、傷みやすい鯖を運ぶために辿った最短コースは、小浜から一路南進し、ほぼ直線的に山道を登っては下り、また登っては下りを繰り返して京都北山から鞍馬へ抜けるという、アップダウンの一際激しいコースだったそうです。
 その距離は、小浜では昔から「京は遠ても十八里」と言われていたそうですが、大会主催者の発表では76kmということです。

 5月16日に行われたこのマラソンに、中央走ろう会の仲間9名で参加して来たので報告します。
 当日は出発地の小浜では、梅雨のはしりを思わせるような小雨でした。然し、福井県から滋賀県に抜ける百里越えや、京都府へ入ってからの杉峠、花背峠等の深い山の中ではかなりの激しい雨で、山中の山道はドロドロにぬかるみ、時によっては足首までも泥水の中に浸かって走ったり、登りでは滑って足を取られ、下りでは滑って尻もちをつき、等を繰り返しながら、ひたすらひたすら京都を目指して走り、かつ歩きました。途中コースからすべり落ちる人がいたり、しゃがみ込んで動けなくなった人がいたり、「もう絶対にこの大会には来ない」と言う声を聞いたりしました。
 完走率はわずか3割という悪天候の中の、表現のしようも無いくらい厳しい大会でしたが、京都出町柳のフィニッシュ会場で顔を合わせた我々の仲間9名は、それぞれが満足感がいっぱいの表情で、それぞれにベストを尽くしたお互いの健闘を称え合うことができました。

 帰りの電車を待つ間に京都駅前のレストランで打ち上げの乾杯をし、おいしいおいしいビールを酌み交わしながら、楽しい一時を過ごしました。
 「天気が悪かったから自分の全てを尽くすことが出来た」
 「雨に打たれて清すがしい気持ちで走ることが出来た」
 「こんな大会こそが一生の思い出に残る」
等と言う仲間の言葉を、深く共感しながら聞くことができました。
 この年齢になって、このようなおいしいお酒を味わうことができる自分の幸せを、改めて噛みしめながら帰路につきました。
掲示板:2004/05/30 より再掲
【編集部メモ】
鯖街道マラニック
コース:小浜〜根来坂〜小入谷〜桑原〜久多〜八丁平〜尾越〜花背峠〜鞍馬〜加茂川〜出町
(スタート:小浜市泉町商店街_鯖街道起点…フィニッシュ:京都出町商店街_鯖街道終点)
参加資格:
850mの峠3カ所を含む山道約80kmを、12時間30分で走破できる人。コースの大部分が山中のため、医療体制が取れません。心臓病・呼吸器病その他持病がある方は参加できません。
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