健康ランニング:情報ボックス
ランニングを継続させる10か条
金沢中央走ろう会 代表:天野 耕兵衛
 ランニングを生活の中にとり入れて、健康づくり、体力づくりをするには、継続して行わないと効果はあがらない。
 ランニングをすればよいことはわかっているが、長続きをしないで三日坊主に終る人が多い。
 長続きさせる方法10か条をかく。

第1条 ランニングの効用をよく理解し、信ずること。
 ランニングさえしておればよいという狭い考え方では困るが、効用や必要性などをよく理解しないで、皆がやっているからやろうというのでは、先ず長続きしない。
 効用や必要性をよく理解して、やらなければ℃ゥ分の不幸につながる。自分が損をするのだということをしっかリ頭に入れていることが、知的人間の行動を起す第一の要件である。アメリカではマラソン大会に参加をする層は、知識人が最も多いと聞いているが、情報をキャッチしているのであろう。
 雑誌「ランナーズ」を読むのもよい。ランニングに関する本も多く出されている。1、2冊を読んでもらえば足りるのでないか。
第2条 グループをもつ。
会の仲間は大切なパートナー ランニングの仲間をもつことが大切である。ランニングはひとリでもできるという特色がある。だから仲間がなくてもやれる。しかし、孤独で継続しようとするとつい弱さが出たときに支えてくれるものがなくなリ、1日、2日とやらなくなってしまい勝ちである。
 そんなとき、グループをもっていると、みんなが支えてくれる。またよい意味でのライバル意識がもてるので継続力をつよめてくれる。
第3条 大会への出場という目標をもつ。
 大会に出場するのは、優勝をねらうためではない。また単に参加賞をもらうためでもない。大会に参加することを目標において、トレーニングを着実に積むことに意義をみつける。とかく人間は弱いものである。今日は寒い、昨夜はよく眠むれなかった、今朝は起きるのが少しおくれた、1回位休んでも大いしたことはないなどと、いろいろな理由をつけてやらなくなる。そんなとき、あと2か月、あと1か月に迫った大会に完走という目標があると「やろう」ということになる。
 また大会に参加の意味のもうひとつは、評価である。これは順位による評価ではなく、10km、20km、フルマラソンを走れたかどうかということと、どんなタイムで走れたかということで自分の現在の体力を評価することができる。それらの評価が継続への起爆力にもなる。
第4条 ランニングの記録をつける。
 ランニングの日誌を書くのもよいが、できない人は、手帳に、走った時間や距離をメモしておくだけでもよい。月毎に合計をしてみると、月の走行距離がはっきりして楽しみなものである。
できたら、からだの変化もメモするとなおよい。
第5条 家族や、職場の仲間にランニング宣言をするのもよい。
 「やっているかい」というひと言が、励みになる。ランニングの成果(大会の順位ではない)を感じとったら、それを吹聴するのもよい。「やっている」から「やりましょう」となったらしめたものである。
第6条 シューズやトレーニングウェアーなどを取リそろえるのもよい。
 誕生日の贈リものとして、それらをプレゼントされたとなると、張切らざるをえなくなるに違いない。
 私は還歴の祝いに東京にいる教え子たちがそれらを一揃い贈ってくれた思い出がある。また、別の教え子たちからもいただいた。「ランニングを続けて健康であってほしい」という情愛を感じて、おのづから走り出してくる。
第7条 無茶な走り方をしない。
 無茶な走り方とは、人間の適応力の限界をこえたトレーニングをすることである。スピードをあげすぎたり、距離を伸ばしすぎたり、無理なコース(坂道の多いコースなど)を走って,みたりするとつらいことが先になって、いや気がさすことかある。それだけでなく、筋肉や関節をいためたりして走る意欲があるのだが、走れない状況になってある期間中止をして、つい楽になりすぎて再開できないでストップをすることもあるから、健康障害をおこさないように負荷を上手にかけていくことが大切である。
第8条 即効を求めない。
 数回やってみて効果がないとか、またランニングをしたが体重がへらないとか、すぐ具体的な目にみえる効果を求めて、それがわからないといって棒を折る人もいる。
 長年運動不足になれてしまっている人の身体が、そ人なにたやすく変化することがあるはずがない、どんなに早くても3か月ときには半年から1年はかかる。それでも間違いなく変化している。第一、走る距離や時間が伸びてきているはすである。また楽々と走れるようになっているはずである。
 これは循環器系が変化をみせた証拠である。
第9条 個人差があることを知る。
 年令は同じでも、身長は同じでも、性が同じでも、体力は決して同じではない。ひとりひとりが、それぞれの歴史を背負って生きてきたのだから体力もひとりひとり違うのが当然である。あの人に負けた、あの人についていけない、見込みがないからやめるという人がよくある。しかし、トレーニング効果にも個人差がある。まじめに継続していたら、いつの間にか追いついていたということもある。こんなとき、「私は、何のためにランニングをはじめたのか」と自問することだ。
第10条 「自分は健康だと自負る人は継続しにくい」「一病をもっている人が真剣にトレーニングをしている」
 心臓病をもっていて医師からすすめられた人、糖尿病をもつ人、腰痛にかかりやすい人、疲れやすい人、等々、自分の健康に問題をもつ人が真剣になってランニングをやっている。
 ランニングをやめたら、健康という宝を手放すことになることを知っているからである。
運動不足と心臓の病気
 あまりからだを動かさない職業についている人に狭心症や心筋梗塞が多く発病している。逆によく動き回る職業についている人は、狭心症や心筋梗塞は少ない。
 このようなことから、運動不足が冠状動脈硬化症を促進する一つの大きな因子であることが予想され、ジョギングが全世界的に大流行している。ジョギングは、正しく行えば理想的な運動であると思う。しかし、ジョギングをはじめるときには、前もってホームドクターと相談して循環器系のチェックをうける必要がある。
 ジョギングも結構だが、日常生活の中にもっと歩くことを取り入れるべきだと思う。
 エレベーターはできるだけ使わないようにするとか、遠くのスーパーまで買物にいくなどすればよい。(成人病の事典 P.56)
機関誌『走快』2号(1983/02)掲載

【編集長メモ】健康ランニングの習慣化には動機と理解が不可欠です。
 健康なランニングライフを過ごす。正しい知識と実践が、健康体力づくりの原点です。
 高齢化社会に向かう。免疫力を高め、脳活や腸活などにも効果を発揮するランニング。ここに記述された継続の10か条は、いつの時代も変わらないものです。

編集長のマラソン講座健康ランニング:情報ボックス

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