走快:ホノルルマラソン2000

2000年12月13日。第28回大会の完走記録


金沢中央走ろう会/ホノルルマラソン特集
第28回ホノルルマラソン完走記録/2000年12月
清水利吉さん、優勝おめでとう
金沢中央走ろう会代表 天野 耕兵衛
第28回大会参加のみなさん(前列右が清水さん)↑
←年齢別90歳以上の部第1位_『おめでとう清水さん』

 清水利吉さんは90歳、4回目のホノルルマラソン参加である。
 7時間49分44秒で完走。90歳以上の部で第1位。90歳以上の部で参加した人は清水さんだけ。80歳以上のランナーの参加は、激減する。スピードを落として、その上、適当にウォーキングをまじえても、42.195qに挑戦しようという体力、気力はなかなか出てこないからだろう。
 清水さんは、75歳、80歳、85歳のときも参加されておられる。
 80歳のときには、第2位のタイムであったが、エントリーミスで、表彰をのがした。
 今回は、90歳以上は多くて3名だから、入賞は確実、途中でリタイヤさえしなければ、大丈夫だと、励まして、スタート地点に立つ。今年は、雨の心配はなく、高温を案じた。
 スタート地点で、ウォーキング参加の人たちが、混在して、スタートラインを越すまでに20分近くかかり、それをすぎても、なかなかランニングにうつれる状態でなく、清水さんもその渦巻きからうまく出ることができず、7時間を切ってゴールヘ入るという予定が、7時間49分44秒というタイムになったものと推察している。
 表彰式も終りに近づき、年齢別表彰がすすむにつれて、清水さんの近くにより添うて、発表を待つ。
 いよいよ発表だ、「90歳の部、ナンバーワン、リキチ・シミズ、ジャパン」場内からうおーという声と拍手がおこる。「タイム、7:49:44」さらに大きな拍手だ。清水さんに喜びを伝えて、ステージ近くまで、先導する。清水さんは、10段の階段をぴょんぴょんと軽やかに上る。フルマラソンを走って、余力十分な姿に"わぁおう"という驚きの声も上る。賞牌を手にされて、表彰台の中央にあがる。万雷の拍手が一斉に起こる。清水さんは、少々はにかむように笑みを浮かべておられる。カメラマンの注文にしばしこたえて、降壇、帰ってこられる途中ずっと、賞讃の拍手がつづいた。
 65歳から走りはじめて、25年、毎日のように浅野川河畔から、金沢大学までの往復コースや、ときには、湯涌、夕日寺から二俣までも足をのばされたことがあると聞いている。
 90歳とは思われない、若々しい身体、筋肉隆々の太いもも、毎日100回の腕立て伏せや腹筋運動できたえた、上半身。「100歳までは走りたい」という清水利吉さんは、石川県民の誇りだ。いや宝だ。世界の高齢者の鑑であるといっても、言いすぎではない。現在でも九谷焼の絵付けの仕事をされている現役である。
 「清水利吉さんこそ、石川県民栄誉賞にふさわしい人だと声を大にして叫びたい。」

ホノルルマラソン4回目の参加
清水利吉
 ホノルルマラソンに参加のため2000年12月8日に金沢を出発、私の忘れる事の出来ない日です。昭和16年12月8日、日本が真珠湾攻撃作戦で米国に大きな打撃を与えた日でもあることが、私のホノルルの第1の印象でした。
 さて、今年で4回目の参加ですが1回、2回、3回と参加して1番感じたのは日本人の参加が非常に多くなり、マラソン大会と言うのに歩く人が多いように感じました。日本で考えていた記録に挑戦と言うのと違い、健康を主に考え、楽しく参加するのであることがたび重なるにつれ、つくづく思いついたのです。
 走ろう会でいつも会長さんより教えを受けているのですが、年配の私でさえ、その場に於いて速い、遅いは別で、自己過信になり恥ずかしいです。
 さて、感想は別として今年90歳で参加して自分なりにかなりがんばり、沢山の歩く人をぬきながら、そうとうの年としての記録者だと思ったのですが、目標の6時間にはとどかず7時間49分44秒と8時間は切ったものの、年が重なると体力的に走力の衰えがはっきり表われます。しかし、私が完走して、表彰式の年齢別で優勝でき皆様から、かっさいを受け、私にとって最高の喜びで、ありがたい。
 25年間走ろう会の会長はじめ、皆様のお陰で最高の喜びです。健康で運動でき、私ひとりでは出来ないことだとつくづく思います。
 今後の事はわかりませんが、100歳までも健康で頑張り続ける事を誓います。
天野先生はじめ会の皆様よろしく御指導下さい。
機関誌『走快』20号掲載

【編集長メモ】
清水利吉さんは、当会の最年長。75歳、80歳、85歳、90歳と5年おきにホノルルマラソンに参加されています。今回は、4回目。見事完走され、年齢別90歳代第1位の表彰をうけられました。

走快アラカルト(清水さん紹介)当会の最年長・65歳からマラソン挑戦
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