【編集長レポート】 |
■全国健勝マラソン日本海大会2012(2012.04.15) |
|
コースから眺める白山 |
今回、大会名に『加賀温泉郷大会』と、加賀の文字が入り地元の大会としての感じが出てきました。
フルマラソンの部は2004年大会から組まれました。今回、制限時間が5時間から6時間に延長されたことから、丘陵地のハードなコースに参加者の低迷が続いていましたが、増加の兆しです。
好天に恵まれ、桜の開花のタイミングが合った開催日となりました。新緑の丘陵地と平野部での白山眺望が楽しみです。
編集長は、マラソンの部が新設されてから毎回参加しています。2009年秋に体調を崩したことから、ここ2年不参加で、3年ぶりの参加となりました。
2月に防水カメラを購入したことから、天候にかかわらず取材ランを決めていましたが、そのカメラのデビュー戦です。ズーム機能も4倍なので、白山のアップも狙えます。沢山撮影しました。スライドショーに編集しましたので、お楽しみください。 |
●加賀健勝マラソンの参加記録 |
|
●3年ぶりの参加は、マラソンの再スタートです。 |
今回で7回目の参加となりました。
この大会の位置付けは、5月3日のマラソンに挑戦する会でのフルマラソンにむけて最終調整の場です。大会役員として、走りながら写真取材できる走力を確保するためです。取材にはキロ6分ペースが目標なので、撮影時間を除くとキロ5分〜5分20秒くらいのペースで走ること。立ち止まって撮影しスタートするという繰り返しでパワーも大きくロスするので、2週間前にフルマラソンを実走しておくことで、気持にも余裕がでてきます。このタフなコースを、2005・2006年と取材しながら走ってまずまずのペースでこなせたことから、事前準備の仕上げとして参加を続けています。
2007年以降は記録にも挑戦ということで、カメラを持たないで、走りに専念。2007年は4時間02分22秒。2008年は、風邪などによる練習不足で、4時間28分20秒。2009年は、3月に能登和倉マラソンを走った効果で、4時間0分43秒。このコースでのベストタイムです。
2009年の秋に体調を崩し2週間の入院、2010年大会は、シーズン初めの金沢ロードレースに向けて練習を始めましたが、2度目の入院となり、大会当日は病院のベッドで身動きできない状況。これでは加賀健勝マラソンは申し込みもできません。退院後、5月の富山清流マラソンに向けて練習を始めましたが、大会前日に3度目の緊急入院。仏の顔も3度。以降、ランニング練習を自粛したので、フルマラソンの大会に参加できる状態ではありません。もう一度走りたいと東京マラソンの申し込みを続けていましたが、寒冷期で体調管理に良くないことから止めることにしました。同じ理由で、能登和倉マラソンも申し込みません。気温が10℃を越す頃の大会を選びます。加賀健勝マラソンと富山清流マラソンが良さそうです。
|
|
2年経過。そろそろマラソンを走ってみたいと、2012年2月から練習を再開します。練習量を多くしたくないことから、2ヶ月でのマラソン準備を計画します。
今回は3年ぶりと、この2年間の練習量が極端に少ないことから、5時間以内を目標にします。欲眼には4時間30分台で走りたいとの気持ちもあります。マラソン大会の3週間前に実施していた1日42km走は、今回はできません。まず、30km走れる脚つくりです。
1週間の休養を組み込んだ練習計画です。天気の様子を見ながら練習日を配置します。第1週目は初日に16km、1日おいて12kmを走って様子を見ます。ペースは6分/kmで、ペースダウンの様子、走後の筋肉痛の出方や回復状況から、脚力を判断します。2週目は初日に18km走、翌日17km走と2日連続で走ります。第3週は3時間走で、28km。第4週は4時間走で、36kmでした。距離練習はこれで終了。従来なら週の半ばに10〜12km走を組み込んでいたのですが、体調の回復が優先です。
第5週(大会1週間前)にハーフマラソンの距離で仕上げです。百万石ロードレースのコースは高低差100mの上り坂があるので、丘陵地コースの練習に最適です。これを2時間で走れたので、少し安心します。、
練習結果では、4時間で36kmでした。残り6kmを1時間。歩ける速さですが、残り10kmからのアップダウンのある厳しいコースにどこまで対応できるか。痙攣でもしたら歩きもままになりません。初参加した2004年は30km過ぎで痙攣し、40kmまでの10kmを1時間半かかっています。
折り返しまでは6分/kmのペースで行こう。撮影ランで前半だけでも楽しもう。こう気持の整理をしますが、30km以降はどうなるか、まったく予想ができません。 |
●気持よくスタート。折り返しまでペース良く走れます。 |
5時間以内に目標を置いていますが、4時間30分台で走りたい気持もあります。そのためには、撮影しながらもキロ6分ペースを保つことが大切です。今回は、4時間半のペースランナーが私の後ろを走っています。先行しながら撮影していますが、撮影スポットで沢山撮影しているとすぐ後まで迫ってきます。また先行して、撮影を繰り返します。こうして、追い越されないようにすれば、ペースは保てます。
塩屋町に入って、毎回応援してくれるヒゲのお巡りさんと再会。3年ぶりの挨拶と近況報告。これで時間を食ったのか、21kmの折り返し点を撮影中に追い越されました。というか、ここまででコース紹介の写真は完了するので、ペースランナーの集団の折り返しを狙ったといいたいのです。それくらい、気持よく走ってこれたことが嬉しい。
|
|
|
|
●復路は白山の眺めを楽しむ。 |
折り返し点で給水とバナナを摂り復路に入る。塩屋大橋詰めを左折し、上福田に向かう。しばらく走ると上り坂。ここ大聖寺瀬越町から、白山が右手に見える。桜並木が前景だ。
○白山の撮影に忙しい。
薄曇りながら白山の輪郭は捉えられる。反対車線の路肩にいき撮影だ。桜の木を前景に白山をズームアップして数枚撮影。ワイドも数枚確保して走路に戻る。ランナーと組み合わせたいが、身近にいない。少しペースを落としてランナーを待つ。白山・桜並木にランナーを配置するが、ランナーが近い分、タイミングが合わない。
高速道路の下を抜け、下福田町に入ると、隠れていた白山が顔を出す。ここから上福田の折り返しまでは白山を正面や右手に眺めながら走れる区間だ。田園風景を前景に位置を変えながら沢山撮影した。
次はランナーとの組み合わせ写真だ。白山が前方になるタイミングでランナーを組み込むが、全て後姿の撮影だ。数人のランナー群に追いつき、声を掛ける。撮影するならビジョガーだ。撮影する時間をいただけますか。いいですよ。立ち止まって、白山を背景に撮影する。次いで、私も撮影してもらう。このコースでいつかは撮りたかった構図だ。手伝っていただいたのは、沖縄から参加のHさん。お礼にもう一度撮影して、ランニングに戻る。
|
|
|
|
折り返し点の給水所(28.1km)。白山を背景に給水所と応援を撮影する。往路での撮影では、雲がかかっていて、ハッキリとした輪郭はなかったが。今回は白山を認識できる。
今回の白山の撮影。上空に青空はみえるが、地上に近くづくと薄曇がかかり、いわゆる花曇の状態。明快な白山の写真とはいかなかったが、これまで撮影できなかったことを考えると、大きな成果だ。
撮影枚数を調べてみる。スタートから10kmまでで92枚。10km〜20kmで69枚。20〜30kmで91枚。ハーフの折り返しからはほとんど白山を狙っている。
○30km地点で、カメラの電池切れ。あとはランニングに専念せよ。
片野トンネルをくぐり鴨池観察館が30km地点だ。ここで距離表示を入れて撮影。まさかこれが最後の撮影になるとは。
○Aさんと並走。撮影してあげれなかった。
この長い上り坂の終点近くでAさんに追いついた。Aさんは、WEBサイト開設時からの読者だ。大会写真集になんども登場している。しばらく雑談しながら並走。追い越して撮影しようとすると、電池の容量がありませんの表示。このカメラはGPS付き。液晶画面も大きくて消耗が早かったのだ。スタート前から撮影しているので3時間半で消耗したことになる。279枚の撮影だ。連写機能もONにしていたので、枚数は数倍になる。GPS機能は衛星を定期的に捕捉するので電池消耗を早くする。こうしたことは分かっていたが、ここまで早いとは。防水カメラのデビュー戦のお粗末とも言える。
当初の計画では、折り返しまでシッカリ撮影して、後半は走りに専念、それも練習不足から、走りきれるかなとの不安もあった。復路では白山をタップリ撮影できたので元気が出てきたのか。残り12kmの丘陵地をシッカリ走れとの天の声かもしれない。
次の白山の撮影ポイントは、黒崎からの下り坂。道路の両側に並木。その谷間の正面に白山。ランナーを組み込んで撮影できる。ダメ元でカメラのシャッターを押すが、応えは電池切れ。
スタートからフィニッシュまで、カメラはずっと手に持って走っている。30kmからは電池切れしたカメラだったが、苦にもならなかった。以前はウェストポーチにいれたこともあったが、手に持った方が腰のキレが良い。腰に重荷をかけると、揺れさせたくないことから、脚だけの走りになる。体幹を使った走りでは、腰の捻転が大切なポイントなのだ。カメラを手に42kmを走るのは、動機をシッカリさせておけば、そんなに苦痛にはならない。
|
●ハーフマラソンの折り返しと合流。 |
今回スタート時間が変更になった。フルマラソンのスタートは8:30。ハーフマラソンのスタートは10:45。この狙いは、残り10km地点からフィニッシュに向かうランナーを増やすことのようだ。
フルマラソンの部で4時間30分ペースで走ると、残り10km地点で3時間25分(残り65分)。時刻にすると11:55。ハーフマラソンでは1時間10分経過したタイミングとなる。ハーフの時間制限は3時間。ゆっくりランナーと合流する仕組みだ。
前回まで、このコースの復路では前後にランナーが全く見えないときもあった。今回は様変わり。ハーフの折り返し点にくると顔馴染が折り返してくる。その合流の楽しさを実感した。
|
○Fさんとしばらく並走するも、ペースが会わない。お先に失礼。
ちょうどFさんがハーフを折り返したところだった。彼女はランニング教室の同期生。東京マラソンにも一緒に行っている。丘陵地のランニングの気持をほぐすのに、言葉を交わしながら並走する。気分転換になって、脚が軽く(?)なってくる。ペースが合わず、お先に。さらに進むと、結構顔馴染も多い。申し訳ないが追い抜いていく。
○Tさんがなぜこんな位置で走っているの。それも、軽快に私を追い抜いていった。
後方から『編集長〜』と声がかかる。ハーフの部に参加のTさんだ。彼女は名前に『走』の字を待つ元気者。しばらく並走するが、高速道路の陸橋の手前で、お先にと言われてしまった。これは悔しい。老人をコケにするなんて。大体なんでこんな位置で走っているんだよ。
彼女のフィニッシュタイムは2:23:52。フィニッシュラインで13:08:52。私が、13:09:24。結構先に行ったかなと思ったが、結果は30秒の差だ。距離にすると約100m、目前でフィニッシュだ。中央公園への長い上り坂でペースを落としたのだろう。
|
○ハーフのランナーにも負けないのだ。抜かれたのは3人?。
給水や計画的な歩行中に、追いこされる。それでもランニングに入ると大抵は抜き返している。ランニング中に抜かれたのは3人と記憶している。抜いていく人の足取りは軽い。余力を保っているのが分かる。この時間帯を走るランナーは、結構疲労が溜まっている。ペースを保つ編集長の走りは、ここで効果をあらわす? この楽しみはペースメークの秘策でもある。
○ハーフのランナーには不評?
2004年大会からフルとハーフの部が新設された。この時のスタート時間は、フルが9:25、ハーフが10:00。ちなみにハーフの制限タイムは2時間30分だった。2005年大会からフルが9:00、ハーフが9:45となっている。今大会は、フルのスタートが30分早くなったことで、受付時間も早まり、ハーフの部の参加者は、フルのスタートから2時間以上の待ち時間となる。
|
●思ってもいなかった後半のネバリ。 |
片野トンネルに入るあたりから連続する坂道では、計画的な歩行を組み込んで、走るリズムを保つ。最初の長い坂で300歩。次の坂で200歩。次は100歩。高速道路をまたぐ高架橋では50歩。上り坂が終わるところをめがけて歩行し、頂点に近くなってきたら走りに戻る。坂道ごとに歩数を減らすことで、気持を高めていく。速さを保つコツだ。下り坂では、衝撃の少ない体幹を使った脚捌きでペースアップ。まだ、脚は動く。
距離 |
split |
記事 |
27km |
06:51 |
白山の撮影 |
28 |
08:22 |
白山の撮影 |
29 |
07:05 |
給水(28.10) |
30 |
07:08 |
片野トンネル |
31 |
06:55 |
|
32 |
07:15 |
給水(31.70) |
33 |
06:19 |
|
34 |
08:50 |
給水(34.00) |
35 |
07:05 |
|
36 |
06:35 |
|
37 |
06:25 |
|
38 |
07:35 |
給水(37.60) |
39 |
06:32 |
|
40 |
06:46 |
|
41 |
07:17 |
給水(40.00) |
42 |
06:19 |
|
FINISH |
01:08 |
|
キロ7分ペースを意識して走り、計時で、6分台を維持していることを確認していた。
終盤の丘陵地での記録をまとめてみた。1kmごとの所用タイムをみると、まずまずの走りをしたことが分かる。
30km地点から40km地点まで69分28秒。給水所ではゆっくりとバナナやレモンを摂り、坂道では歩行を入れてもキロ7分で走っている。20kmから30km地点の平地部は白山の写真撮影もあって70分31秒。結果は同じペースだ。
不安だった30km以降の走りにも、67歳の年齢と練習不足の直前準備を考えると、それなりに対応できたことが嬉しい。効率的に走ろうと体幹を使った走り方が身についていたこと、持久力と気力の温存に対する経験と、準備に行った4時間走による気持の余裕が効いたようだ。
この好結果は、気象条件が良かったことも大切な要素だ。気温は12〜15℃。身体を冷やさない、過熱させない適当な温度帯だ。風も爽やかだった。ウェアには塩が吹いていたが、汗を流すという感覚はなかった。
|
●4時間39分でフィニッシュ。まだまだ走れる? |
残り1.5kmから競技場まで続く最後の上り坂を歩行なしで走り切れたのは嬉しい。残り500mからのラストスパートはできるか。競技場手前の上り坂の終わる直前で、10歩の歩きを入れて、呼吸を整え気合をいれる。競技場に入って42km地点を通過。フィニッシュまでの200mを1分8秒。キロ5分40秒の速さだ。いつものようにいかなかったのは、欲張りか。
脚には心地よい疲労感を感じるが、筋肉痛の気配はまだないのに拍子抜け。フィニッシュ後は、一眼レフカメラに持ち替えて、会場の撮影を始める。Kさんのフィニッシュランの撮影で、ダッシュもできた。
マラソンを始めた60歳の頃は、70歳までは5時間以内で走りたいと考えていた。体調を崩して、その思いも消えかけた。あと3年、なんとか持続できそうな気も湧いてきた。
今回から、制限時間が6時間になった。5時間の時は、37.5km地点の関門(4:20)がネックになっていた。今回は4:07で通過。今後もこれをクリアする走力維持を考えたい。体調や気象条件でペースも落ちる。6時間の制限時間は大きな余裕としたい。
|
●今大会の準備練習をグラフにすると。。 |
|
この図は、今大会に向けた練習量をグラフにしたものです。
日頃の練習をグラフに記録していると、練習経過が分かり易い。2009年の春は月間150kmくらい走っていた。緊急入院以降、練習量を大幅に減らしてから2年が経過した。この半年間の練習量も申し訳程度の量だ。これでマラソン5時間を狙うのは無謀だ。2月末、気候が暖かくなるのを待って、大会20日前に4時間走を練習できる脚をつくることを目標に練習開始。15〜16kmの走れる距離を連日行うことで、脚を慣らしていく。筋肉痛の様子を見ながら、1週間ごとに距離を伸ばしていく計画だ。67歳の年齢もあり、疲労を抜く休養をシッカリとる。一発勝負の練習プログラムだ。
撮影ランで4時間39分。このグラフをみると、これでよく走れたものだと我れながら感心する。 |
|
|
●来年はコースが変更になる? |
プログラムに来年はコースが変更になると告知してある。スタートの競技場は標高43.7m。会場が同じならば、この丘からの発着は変わらない。問題はこの丘を下りてからどこに向かうかだ。黒崎へのルートを外すのか? 平野部を走るのか。『加賀温泉郷大会』と名前をかえたので、温泉地域を走るコースをつくるのか。山代や山中温泉方面へは、国道8号線を横切るので難しい。片山津温泉方面はどうか? 入浴券を発行したことで、温泉郷の名目を立てたのだろうか。
アップダウンのキツイ、ランナーには不評なこのコースも、毎回参加していると愛着が湧いているから不思議だ。タフなコースだからの楽しみもある。
○日本海鍋から海鮮が消えた。
この大会では、フィニッシュ会場で、給水サービスが十分になされているのがありがたい。腹ごしらえのオニギリとお汁。顔馴染の常連の女性達とマラソン談義をしながら食事だ。今年は中身が変わったようだとのコメントが気になった。 |
【追記:2012/08】 大会実行委員会から葉書が届いた。『加賀温泉郷マラソン大会』と大会名も替わるとのこと。コース変更の作業も進んでいるようだ。 |